【レビュー】「うるうびと」RADWIMPS

映画『余命10年』の主題歌。終始続く繊細なピアノの音色と、重厚感のあるオーケストラサウンドが、「命」を扱う題材によく合っていると感じた。

4年に1回の「うるう年」でよく知られる「閏」には、“暦と季節のズレを調節するためのもの”という意味がある。

つまり、『うるうびと』=「閏人」には、何年かに1度の「貴重な存在」の意味があって、かつ「自分と時間の流れ方が違う人」という意味も含まれているのではないかと思う。

「うるうびと」

歌詞はおそらく映画の主人公・和人目線で描かれていて、終盤の<全人類から10分ずつだけ寿命をもらい 君の中どうにか 埋め込めやしないのかい><それか僕の残りの 命を二等分してかたっぽをあなたに 渡せやしないのかい>が胸を締め付ける。

<20センチ先の君>という表現も、人がどうやっても1つにはなれないことを物語っているようで切ない。

一方で、決して「死」という言葉を使わず、「来世」という明るいワードに置き換えているのも印象的。ある意味RADWIMPSっぽくて、かついつも以上にスケールの大きい曲。