【ライブレポート】Lucky Kilimanjaro「TOUR“YAMAODORI 2023”」2024.01.08@国際フォーラム
Lucky Kilimanjaro「TOUR“YAMAODORI 2023”」2024.01.08
「辛いときや苦しいときこそ笑え」という言葉をたまに聞く。山登りならぬ、“山踊り(YAMAODORI)”。山だって、登っているときは辛い。でも笑って歩み続ければ──いつか山頂で素晴らしい景色を見られる。そういう意味で付けられたツアータイトルなのかは定かでないが、“明るく過ごしていれば良いことあるよ”と伝えてくれているような、そんなメッセージを感じた。
Lucky Kilimanjaroの全国ツアー『Lucky Kilimanjaro presents.TOUR“YAMAODORI 2023”』。2024年1月8日、東京・国際フォーラムにて行われたファイナル公演を見てのことである。
開演前の影アナは大瀧真央(Syn)が担当。「踊る準備はできてますかー?」という呼びかけに、フロアが全力で応える。すでに会場が高揚感に包まれる中、ライブは「Drawing」でスタート。続く「350ml Galaxy」では熊木幸丸(Vo)が途中でドリンクを掲げ、観客と乾杯を交わす。年明け1発目のライブ、そしてツアーファイナルという条件も相まって、序盤からお祭りムード全開だ。
「後光」「ひとりの夜を抜け」と、その後も6人は心地いいダンスミュージックでフロアを揺らしていく。「Burning Friday Night」で熊木はマイクを客席に向け、にぎやかなシンガロングが響きわたった。間奏では松崎浩二(G)がステージ中央に歩み出て熱いギターソロで沸かせ、その後もステージを左右に往復しながらフロアを煽っていく。
必要以上にMCを挟まず、曲と曲をシームレスに繋ぎ、ひたすら観客へ音楽を浴びせていくライブスタイル。「ダンスは自由です!」──この日、熊木は何度もライブ中に叫んでいた。その言葉を受け、自由に踊る観客たち。ほぼノンストップで響きわたる演奏に、会場はダンスフロアと化していた。
「まだまだ踊れますかー?」という掛け声を合図に、後半は「I’m NOT Dead」「踊りの合図」などのキラーチューンを続々と投下。カラフルな照明にスモーク、演出も盛りだくさんで視覚的にも飽きさせない。ラストは「Kimochy」でフロアを気持ちよく踊らせ、本編を締めくくった。
アンコール。「国際フォーラムをこれだけ踊らせたバンド、他にいる?」と嬉しそうに語った熊木は、続けて「Lucky Kilimanjaroは10周年を迎えました!」と報告。今日は10周年1発目のツアーでもあるということで、メンバーもそれぞれ今後の意気込みをファンへ語った。
10年を振り返りながら、熊木が「この10周年は“トライアンドエラーアンドエラー…”」と語ったところで「ペペロンチーノ」へ突入。ラストは「君が踊り出すのを待ってる」を届け、再び心地いいバンドサウンドで会場を揺らした。
元旦から心が沈むようなニュースが続いていた2024年。心も体も踊らせるダンスミュージックの連続に、明るい気持ちにさせられたライブだった。4月には日比谷野外大音楽堂でのワンマン公演も発表されたLucky Kilimanjaro。彼らはこの先も私たちを踊らせ、そして明るい未来を想像させてくれるだろう。