【ライブレポート】「TOKYO CALLING 2023」2023.09.18

遅ればせながら、
2023年9月18日(月・祝)、「TOKYO CALLING 2023」(渋谷会場) に行ってきました!
見たアーティストのライブレポートを簡単に残しておきます。

「TOKYO CALLING 2023」2023.09.18

クジラ夜の街

「裏終電・敵前逃亡同盟」

「たくさん曲をつくりたい」「死んでからも歌ってたい」

MCで宮崎一晴(Vo/Gt)が語ったとおり、彼らの音楽に賭ける熱量が詰まったライブ。「あばよ大泥棒」「夜間飛行少年」などのライブ定番曲から、配信リリースされたばかりの新曲「裏終電・敵前逃亡同盟」まで一気に駆け抜けた。

正直、クジラ夜の街のライブは30分じゃとても足りない。この物語の続きはワンマンライブで──、そう誘うようなファンタジーな世界観が、渋谷CLUB QUATTROに広がっていた。

LOCAL CONNECT

「Hands」

ライブ初見。こんなに良いライブをするバンドだったとは知らなくて驚いた。

「Hands」ではフロアの手が天井目掛けて突き上がり、「Sailing」ではタオル回しが発生。「東京で僕らの音楽はもう求められていないのかもしれないって」──そう呟きながら、今日集まった観客1人ひとりに感謝を告げるように、彼らは真っ直ぐな音を届ける。

ここ渋谷TAKEOFF 7は、彼らにとって数々のライブを行ってきた場所らしい。思い出の場所での30分間のライブは、終始一体感に満ちていた。

Half time Old

「なにもの」

Half time Oldの切れ味鋭いサウンドは、自然と体を揺らさせる。初っ端から「アウトフォーカス」で会場を1つにし、後半にかけてドラマチックな展開を見せる「なにもの」では温かな演奏を届けた。

ラストの「ミニマリスト」では鬼頭大晴(Vo/Gt)がフロアへマイクを向け、〈いや戦ってるんだ〉の大合唱が響く。3連休の終わり、彼らから明日へのエールを受け取った気分になった。

かりゆし58

「オワリはじまり」

満員で入場規制がかかったSpotify O-WEST。かりゆし58が沖縄の風を連れてきた。

彼らの代表曲「アンマー」が始まると、心地よいサウンドに乗せて体を揺らす人が多数。ラストの「オワリはじまり」では、前川真悟(Vo/B)の情緒の帯びた歌声が会場を包んでいた。彼らの優しい音楽は、忙しない日々に追われて忘れかけていたものを思い出させてくれる気がする。〈もうすぐ今日が終わる/やり残したことはないかい?〉

moon drop

「オレンジ」

“愛だの恋だのラブソングだけを歌い続けるバンド”、moon drop。「ラブソングばかり歌い続けて、ついにここまで辿り着けました!」Spotify O-EASTに立った彼らは、1曲目の「シンデレラ」で青春のピュアな香りのする世界をつくりだした。

「この大きなドロップの前で歌いたかった歌がある」と届けられた「オレンジ」では、会場は温かみのある雰囲気に。この先も彼らは共感の高いラブソングを歌い続け、大きくなっていくのだろう。

the quiet room

「Tsubomi」

特別な日をより特別なものにしてくれる。それがクワルーの音楽であり、ライブだと思う。「Fressy」「平成ナイトコウル」と続けざまにライブ定番曲を投下した後、配信リリースされたばかりの新曲「Tsubomi」で会場を沸かした。

本来この前は、彼らのレーベルの後輩であるなきごとが出演予定だった。キャンセルとなってしまった彼女たちの分まで精一杯歌うと、力強く誓ったthe quiet room。多幸感に満ちた会場で、「パレードは終わりさ」では観客のシンガロングが響きわたった。

SAKANAMON

「ロックバンド」

初っ端から「ミュージックプランクトン」「幼気な少女」と畳み掛けたSAKANAMON。その力強いパフォーマンスとは打って変わって、MCが少々たどたどしいのはいつも通り。それでも藤森元生(Vo/Gt)の言葉1つひとつに観客たちは盛り上がる。そんな様子を見てメンバーは、「これツアーファイナルか?」「ツアーファイナルに来てくれてありがとうございます!」と冗談を交わして会場の笑いを誘った。

バンド結成15周年を迎えた際に書いたという「ふれあい」は、真っ直ぐな〈ありがとう〉が心に染みた。新曲「光の中へ」を挟み、締めくくりは「ロックバンド」。15周年から16周年へ、流れる様な時代の中で彼らの歩みは続く。

The Songbards

「Inner Lights」

ライブ初見。かつステージ移動の関係で15分ぐらいのみの鑑賞。(すみません、、)

穏やかで、そっと包まれるような柔らかな演奏が印象的だった。「ガーベラ」では観客を左右に揺らし、「Inner Lights」では爽やかな音色が包み込む。どこか懐かしい香りのする演奏に、今度はもう少しじっくり浸りたいと感じた時間だった。

ねぐせ。

「グッドな音楽を」

「大トリを任せてくれて嬉しい」と何度も語っていた彼ら。「スーパー愛したい」「死なない為の音楽よ」「グッドな音楽を」とフロアからはずっとシンガロングが起きていて、それを嬉しそうに見ている姿が印象的だった。2020年に結成したねぐせ。にとって、自分たちのライブで思いっきり声が出せる光景はまだ見慣れたものではないのだろう。

TOKYO CALLING初めての出演は、名古屋の「でらロックフェスティバル」出演時に運営側に直談判したことで決まったという。ねぐせ。は運良く売れてきたバンドではない。自分たちの力でチャンスを掴み続けてきたバンドだ。今後ももっと大きなステージで、ホットでグッドな音楽を歌い続けて欲しい。